04.01.14 つよインク怖い

 毎年頭を悩ませるものに年賀状がある。皆様の期待を裏切ることは許されない。「やっぱり、みやちょの年賀状だなあ」と思わせないとならないのだから大変だ。毎年ご愛読いただいている年賀状読者の期待に応えねば、気がすまないのである。実際には、誰もそれほど期待していないのだろうけど、わたしの気分が許さないのである。
 なにしろ、他人の家に変な葉書を送りつけるのが許されるという年に一度のイベントなのである。もしも、正月以外に変な葉書を送りつけたら、「この人一体どうしたのだろう?」と不審がられることだろう。しかし、正月ならば許される。この機会を失ってしまうと、また一年待たねばならないのである。女の子にとってのバレンタインデーに匹敵するイベントと言えよう。

 そんなわけで、毎年十一月くらいから「さて、今年はどうしたものだろうか」と考えはじめるのである。しかしながら、良い案が浮かんでこない。数分間考えても浮かばなければ、ついつい他のことを考えてしまう。「そのうち画期的なアイディアを思いつくはずさ」、「締め切りまでにはまだ時間があるさ」と。そして考えることを放棄してしまう。
 しかし、考えることを放棄していたら、いつまで経っても決まらない。さりとて、締め切りは確実にやってくるのだ。昨年末は、いつもの年よりもさらに余裕が無かった。結局、中途半端なネタのまま決断しなければならない時がやってきてしまったのである。そんなわけで、今年の年賀状はこんな感じであった。

謹賀新年
 年賀状を書こうと思ったのである。ええと、来年の干支は何だっ
 け? と資料を調べてみると、なんと「甲」だというではないか。
 「甲」ってなんだ? よくわからないが、ヴァンフォーレ甲府の
 写真でも貼っておけば良いのだろうか。
 まさかそんなはずはない。干支というからには動物であろう。し
 かし、「甲」という動物がわからない。カブト。まあいいか。カ
 ブトガニの写真でも貼り付けておこう。カブトムシという説も捨
 てがたいが、なーに、二分の一の確率だ。しかし、これがサル年
 だったら、孫悟空でも日光猿軍団でも適当な素材が色々あるとこ
 ろなのになあ。
 と思って、もう一度良く見直してみると、「申」だったのである。
 うーむ。どうしたものだか。ところで「申」ってなんだろう?


カブトガニの写真


 というわけで、あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。
                   平成16年

 どうも今年は不作であった。自分でもダメダメなのがわかる。インパクトに欠ける。うさぎ年の時はバニーガールの格好をしたから今年はさるスーツでも……と思ったが、そんなのは普通だろう。どうせやるなら、もっと手の込んだものにしなければならない。うま年の時は、PUMAのポスターをパクってUMAにしたのだが、SARUについては良いのが思いつかなかった。技巧に走ることもできなかった。そんなわけで作文っぽくしてみたのだが、文章が短すぎてどうにも伏線を張ったりすることができなかった。これはあまり面白くない。
 そう思っていたのだけど、時間が無かったためこのまま出してしまった。今年は年賀状を止めようかと何度考えたことか。いや、それは失礼に当たるので、無難にまとめたものでも……というわけにはいかないんだなあ。今更普通の年賀状を出す気になれないのである。そんな身体になってしまったのである。
 もし、わたしがネタ年賀状を書くのを止めるとしたら、結婚して子供ができた時くらいだろうか。子供がいれば、何も考えずに子供の写真を載せれば良いだろう。もうそろそろ考えるのに疲れた。誰かわたしの子供を産んで欲しい。

 ってなことを書いていると、ある朝、玄関に身におぼえの無い子供が突っ立っていたりするかもしれないからほどほどにするけど、数日前、今年の年賀状が致命的なミスを犯していることを知ってしまったのである。よく考えたら、今年は甲年で良かったのだ。たしかに干支に関して言えば、今年は「申」なのだけど、十干の方では「甲」なんだなあ。なんだ。合ってるではないか。十干なんてすっかり忘れていた。
 なんていうか、ボケているというか、ボケていないというか、わけのわからないことになってしまったのが、今年の年賀状なのである。無かったことにして欲しいのだが、年賀状の場合はそうもいかないのである。こんなものが後世までに残ってしまうとは恥かしい。来年あたり、そろそろ新しいプリンタを買おうと思っていたが、エプソンだけは止めるかもしれない。

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