03.07.21 光速の奇行子
 先月さぼっていたからということもあるけど、それ以前から更新回数が減っていた。そのため書き損ねた話がいくつもあるんだなあ。たとえば、パナウェーブ研究所である。もうニュースとしては、すっかり下火になってしまった。あれはいったい何だったのだろうか。どうも報道を見ていても「なんだか気味が悪いわー」という感想にしかならない。しかし、自分が理解できない行動を取っているからといって「気味が悪い連中」だけで片付けるのもどうかと思う。だからと言って擁護するつもりはないけどね。

 あれはなんていうか、小学生が自発的に作った遊びみたいなものではないだろうか。たとえば「横断歩道の白いところだけを歩く」といったルールを作って遊ぶ。それだけでは真剣になれないから、「横断歩道の黒いところは地獄へ通じる穴になっている。落ちたら死ぬんだ」と設定する。そうして遊んでいるうちにすっかり習慣になってしまう。それで、毎日なんとなく横断歩道の白いところだけを歩いてしまう。そういう経験は無いだろうか。
 そんなことを忘れたある日、うっかり白いところを踏み外してしまう。すると「今、穴に落ちて死んでしまったあ」とか思ってしまうんだなあ。さらには、無関係の人が黒いところを歩いているところを見ても、「今、やつは穴に落ちて死んだ」とか想像してしまったりする。そんなのがエスカレートしてしまったのが、パナウェーブ研究所ではないだろうか。

 電波は毒なのだ。中でもスカラー波というのが悪いのだ。それで我々を攻撃している悪の組織があるのだあ。スカラー波を防ぐには白く塗れば良いのだ。あとグルグルマークもスカラー波を防ぐ効果があるのだ。というような設定をした。自分で作った設定なのに自分でも本気で信じてしまった。その設定を語ったのが、妙に説得力のありそうな人だったため、他にも信じてしまう人が増えてしまったと。
 まあ、たしかに電磁波は身体に悪影響を与える。ただし出力によってだけど。だいたい、携帯電話、ラジオ、テレビ……、その他もろもろ電磁波に囲まれて暮らしているのである。しかも、わたしなんぞは結局一日中PCのそばにいるが、PCからも結構な電磁波が出ている。というか、PCに限らず電気製品は、なんらかの電磁波が出ている。そのうえ、部屋の中は無線LANの電波が飛び交っている。パナウェーブ研究所の言う通りだとしたら、わたしはとっくの昔に倒れていなければならない。

 黒く塗るよりは、白く塗った方が光を反射する。しかし、無線LANなんて白い壁を突き抜けて通信しているわけだし、白い壁の建物の中にいるからといって携帯電話が使えないということもない。鏡で光を反射させることができることを考えると銀色の方がまだ良いと思う。それでも効果が無いだろうけどね。まあ、白く塗れば平気だとか、グルグルマークを貼り付けているから平気だとか言うのは、小学生のエンガチョみたいなものだろうなあ。
「今○○に触ったから○○菌に感染してしまったぞ」、「エンガチョしているから平気だもん」、「○○菌は強力だからエンガチョしても感染するのだ」、「ええい、じゃあおまえにもうつしてやるー」、「おれはもっと強力なダブルエンガチョだから平気だもんねえ」みたいな感じ。

 ん? ただの電磁波でなくてスカラー波? それって何? 波長? 波形は? 「スカラー波」の単語が出てくるだけで、どういうものか満足な説明が一切されていない。ただ「スカラー波は毒電波」みたいな感じだからなあ。まさに小学生の言う○○菌のようだ。
 普通の人ならば、いい加減な時期に横断歩道遊びのようなものは卒業してしまうところだけど、パナウェーブ研究所の人達は大人になってもモノゴトを考える能力が変わってないというところだろうか。大人になってから始めてしまったことだから、抜けられなくなってしまったというところだろうか。まあ、基本的には放置するしかないだろうなあ。逆洗脳でもしない限り、考えるところは変わらないだろうから。ただ小学生の遊びの設定が無限にエスカレートすることを考えると、危険性については注意が必要かもしれない。

 それにしても、パナウェーブというネーミングは何なのだろう。まあ、ウェーブは電磁波のことだろうけど、パナがわからない。ブックシェルフで調べてみたけど、ずばりなものはなかった。パナソニックのパクリなのかなあ。「パナソニックがソニック、つまり音だったら、おれたちはウェーブだあ」というノリだったのだろうか。と思っていたら、パナは「あまねく」だそうだ。PC Watchに松下電器のプレス発表の記事があって、そう書かれていた。

 ブランド戦略についての説明会の記事(PC WatchというかAV Watchなのだけど、PC Watch経由で読んだのでした)

 ということは、つまり、パナウェーブとは「至るところに存在する電磁波」ってことになるのだろう。たしかにラジオ・テレビに加えて、最近では携帯電話や無線LANなどが普及し、まさに至るところで電磁波が溢れかえっている状態である。普通の人でも電磁波の影響は気になるだろう。高圧線のそばに住んでいると、癌になる確率が高くなるとかいった調査報告もあったりするし、電磁波防止エプロンなんかも売られているくらいだ。
 パナウェーブ研究所も最初はそんなところからスタートしたのかもしれない。そんな報告を読んで電磁波にびびってしまい、その危険性を訴えようとした。より効果的に危険性を訴えたいのだが、基本的な知識が無いので上手く説明できない。それで設定を色々作ってしまったといったところではないだろうか。

 それはともかく、このネーミングの所為で一番迷惑を被ったのは、パナソニックの松下だろうなあ。と思ったのだけど、松下もあまり他人のことを言えないかもしれない。いや、松下だけではないのけど、あのマイナスイオンってやつがね。ロクな説明も無しに「マイナスイオンは身体に良いんだ」だけだからなあ。
 マイナスイオンって元素は何よ。酸素か窒素か。まさか空気中の分子のを手当たり次第にイオン化して、NOxを発生させたりはしないだろうな。サイトを見ても身体に良いという調査結果が出ているとしかなくて、どうもよくわからない。滝や森林なんかにマイナスイオンが多いって、それは昔、「森林にオゾンが多いからオゾンは身体に良い」とか言っていたのと同じではないのか。実際にはオゾンは有害なんだが。まあ、パナウェーブとはベクトルが逆だけど、どうもあのマイナスイオン家電というやつは、信用できないというかなんというか。

 松下電器のマイナスイオンの説明って、この程度だからなあ。これでは「はい、そうですか」と納得できないのである。

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03.07.14 ワールドカップの思い出が消えていく
 いやはや先月は、まったく更新しなかったなあ。それというのもサッカーの所為である。韓国との親善試合に始まって、キリンカップ、コンフェデレーションズカップと連続でイベントがあったからなあ。休みの日にはフットサルをしに行って、北澤の引退試合を観に行った。さらに仕事の方も忙しくなってきて、残業が急増してしまった。おまけに歓迎会と送別会もあった。
 つまり日記を書いているヒマがなかったのである。それだけなく、6月はサッカーの試合が怒涛の勢いで行われたためサッカー関連の掲示板がすごいことになっていた。それらを読んでいたら、日記を読んでいるヒマすらなくなってしまったのである。不義理をしてすまん。と言いつつ、書いていたことは書いていたのだけどね。ただ、サッカー話ばかりなので更新はしなかった。先月の分に押し込んでおいたけど、見る必要もないだろう。つまり先月は、それくらいサッカー三昧だったのである。

 それはさておき、ワールドカップは四年に一回の一大イベントである。サッカー自体は毎週のようにあるけど、ワールドカップはやはり特別だ。しかも、去年は日本で行われたのだ。日本で行われることはしばらくなさそうである。大陸ごとの持ち回りになって、次にアジアに来るのは19年後か23年後か。日本は既に一度開催しているため、次にアジアへ回ってくる時は、他の国での開催になるだろう。中国での開催になるだろうか。
 他にアジアで開催できそうな国は、日本くらいしかないので、そのまた20年後か24年後は来るかもしれない。まあ、十年後のことだから、インド辺りが驚異的な経済成長していないとも限らないけどね。いずれにしても、その頃はもうお爺さんだもんなあ。それも生きているかどうかわからないくらいの歳だ。

 そんなわけで、去年はできるだけワールドカップを堪能しておこうと考えた。色々グッズを買い漁ってしまった。ワールドカップの公式ロゴが入っていればなんでも良いとばかりに買い集めたのである。いや、それ程でもなかった。ワールドカップの観戦等で金がなくなりかけて、そうそう買ってもいられなかったのである。それでも細々したものは、結構買った。たとえば、ライターである。ターボライター270円である。さすがに270円ならケチるほどのこともないだろう。見かけた瞬間、即座に買った。そして、それはワールドカップの思い出として大切に仕舞われた。

 その年の冬のことである。当時のわたしは、雑文館の人のグアム土産であるジッポーを好んで使っていた。それが突然壊れたのである。ポケットから取り出したら、フタがポロリと取れた。フタを留めていたピンがどこかに行ってしまったようである。これは困った。どこかに他のライターは無いだろうか。
 ふと部屋を見回すとワールドカップの思い出ライターがあった。部屋を隈なく探せば、ゲームセンターで獲ったニセモノのジッポーがゴロゴロあるはずだけど、あいにくどの辺に仕舞ったのか思い出せない。面倒なことは嫌いなので、一番最初に目についたワールドカップの思い出ライターを使うことにした。思い出ライターとは言え、中のガス以外は別に減るもんじゃない。立っているのは親でも使えというではないか。カチッ、ボーッ。

 するとどうしたことだろう。ロビー・キーンのでんぐり返し、カーンのゴリラセーブ、踊りに来たのかカメルーン応援団、ちょんまげかつらのアイリッシュ……等々、ワールドカップの記憶が甦ってきたのである。嗚呼、もう一度見たいなあ。カチッ、ボーッ。ロシア戦、日本のワールドカップ初勝利だ。カチッ、ボーッ。ロナウドの決勝ゴールだ。カチッ、ボーッ。美味しいビールだ。カチッ、ボーッ。美味しいチキンだ。カチッ、ボーッ。カチッ、ボーッ。何度も火をつけた。
 そして、翌朝街角でひとりの少女が幸せそうな顔をして……、いや、なんだか話が混じってしまったな。まあそんなわけで、2、3日そのライター持ち歩いていたのである。するとどうしたことだろう。気がついたら、ハゲていたのだ。最近シャンプーを変えたのが悪かったのか。孫正義の呪いだろうか。そういえば、最近不摂生していたな。早く寝て、ワカメをいっぱい食べなきゃ。

 いや、ワカメを食べてどうにかなるものではなかった。何故ならば、ハゲていたのはライターの絵柄だったからである。なんと公式ロゴマークがかすれているではないか。「REA」ってなんだ? レアものだと言いたいのだろうか。とにかく、これではワールドカップ日韓大会の記念ライターとは言えないではないか。
 なんと弱い塗装なのだろうか。わずか2、3日持ち歩いただけで、塗装がハゲてしまうとは、さすが270円だけのことはある。それにしても、「JAPAN」の方はあっさり消えてしまったなあ。「KOREA」の方が若干しぶとい。はっ、まさかわざと「JAPAN」の方にハゲやすい塗料を使ったなんてことはないだろうな。さてはこれを作ったのは韓国の回し者……って、ワールドカップの前にはそういうネタが色々あったことまで思い出してしまった。

 しかし、まいったなあ。まあ、とりあえず百円ライターを使うことにしたのだけど、百円ライターは味気ないなあ。百円ライターどころか、ダイソーで買った25円ライターであった。味気ないにも程がある。いや、問題はそういうことではなくて、ワールドカップの思い出が消えてしまったのが残念である。と、思っていたところにヨドバシカメラで良いものを見つけたのだ。ワールドカップ記念モデルのジッポーである。おお、これならロゴが消えそうにない。いや、それよりもこれは使わないようにしないと。


 4000円は高かったけど、ジッポーだから仕方が無い。ポイントで買ったので懐の痛みは無い。それよりも、これを買ったのは今年の2月のことである。ワールドカップの思い出なのかなんなのかわからないことになってしまった。まあ、それはわたしの気分の問題なので良いのだけど、たしかワールドカップ関連のグッズって2002年の12月いっぱいまでしか売ってはいけないことになっていたような気がしたのだが、良かったのだろうか。

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