第60回 97.05.25くらい 『ピンクの嵐』

 今日は、動物園に行った。

 動物園で猿を見ていたら、茂尻君の事を思い出した。茂尻君というのは、高校3年の時の同級生で、一緒に麻雀などをした仲間だ。

 どうでもいいが、名字に「尻」が付くのは、ちょっとイヤだ。全国の尻の付く名字の方々には申し訳ないが、どうしてもキタナイ尻を想像してしまうのである。それが、茂尻君の場合、最悪だ。どうしても、尻毛がビッシリと生い茂った状態を想像してしまうのだ。桃尻という名字だったら良かったのに。

 それはともかく、茂尻君は猿のような顔をしている。動物園で猿を見ていたら、彼の事を思い出さずにはいられないのだ。それくらい彼は、猿に似ていた。一度、彼に猿のお面を無理矢理かけさせた事があったのだ。祭りの時、縁日で売っていた物だ。彼にお面をかけさせておきながら、あまりにもそっくりなもんで、「お面の意味が無いぞ」なんて、みんなで爆笑していたのだ。それ以来、彼のアダ名は「猿面」になった。彼のテーマソングは、もちろんアレだ。飲み会の時は必ず歌っていた。

 わたしの名前は、「猿面」です。もちろんあだ名に決まってます。

 茂尻君には、3つ違いのお兄さんがいる。お兄さんもやはり猿顔だった。というよりは、茂尻君の家族は、全員猿顔なのである。飼っている犬まで猿顔だ。それは、まるでマンガのようだった。彼の家に遊びに行った奴のほとんどは、あまりにもおかしくて、腹を抱えて転げ回るのだ。中には何か躁病になったのかと思うくらいハイになってしまう人もいたくらいだ。

 もしかしたら、もしかしたら、躁なのかしら。

 聞いた話によると、お兄さんは、現在画家をしているそうだ。なんでも有名な絵描きだそうで、個展を開いたりもしているそうだ。下の方の名前は忘れてしまったが、わたしは、茂尻(兄)と呼んでいる。上野辺りの美術館で展覧会をしているので、暇だったら見に行ってあげて欲しい。

 茂尻兄弟で思い出したが、最近、よく耳にする兄弟がいる。それは、シプリ兄弟だ。シプリ兄弟のお兄さんは、外国の方でカトリック教会のお偉いさんをしている人で、シプリ(兄)と呼ばれている。そう。あの事件の人である。
 あの事件は、強行突入により解決したワケで、結局シプリ(兄)は、中に入って見てきただけなんてことになってしまった。そんなわけで、一部の人達の間では医療機器になぞらえて、シプリ(兄)の事を内視鏡なんて呼んでいるらしい。シプリ(兄)内視鏡。

 あの強行突入には、シプリ(兄)内視鏡が頑張っている裏で、大変綿密なシミュレーションが行われていたそうだ。ああいうシミュレーション、軍事関係の用語では紙の上での計算なので「ペーパーゲーム」と呼んでいるらしい。
 最近では、もちろんコンピュータが使われる事が多いが、頭の固い幹部達の中には、コンピュータ化に反対する者も多いという。コンピュータゲームではファミコンをやっているみたいだという。アメリカでは、軍の若手がペーパーゲームをネットワーク上にのせようとJAVAでプログラムを書いていたら、上層部から突然ストップがかかってしまったそうだ。

 ペーパーゲ−ム、JAVAにしないで。

 ところで、わたしはあの事件を見て、カトリック教会のお偉いさんが政治的にも結構な力を持っていることがちょっと意外だった。しかし、話を聞いて納得した。あの国は、国民の9割方が熱心なカトリック教徒だそうで、政府なんかより教会の方がずっと支持されてるらしい。

 ある日系企業の現地法人での事だ。その企業のビルにちょっとした落雷があって、壁に焦げた跡が付いたそうだ。その焦げ跡、なんとキリストの姿にそっくりの形になったのだ。そこで、現地法人の社長は、ビルの前の広場に祭壇を作り、そこで拝ませようと考えたのだ。拝観料で儲けようという魂胆だ。
 ビルの前の祭壇は大盛況で、その会社の社員達も、毎日仕事をホッポリ出してキリスト様を拝んでいた。ところが、拝観料はさっぱり入ってこなかったのである。やはりこの国は経済的に厳しいせいか、敬虔なクリスチャンといえどもお金にはシビアなようだ。

 (ジーザス・クライスト)スーパースターのお出ましに、現地の社員は敬虔だけど、布施はイヤだわ。

 というわけで、今日の分はおしまいだ。では、また会う日まで。


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