第47回 97.01.09くらい 『ああ観音様っ!!』

 初夢の話である。正月も終わったというのに、なぜ今更初夢の話を書くかというと、これが久々に素晴らしい夢だったからである。まあ、正月休みの間、日記の更新をサボッていたから今日になってしまっただけというのが、本当のところだ。スマン。

 さて、それはどんな夢かというとこんな夢である。

 わたしは、元旦だというのに、1人でバーに酒を飲みに行った。おとそ代わりの水割りでもと思って行ったのだ。そしてバーテンダーに水割りを頼んだ。

「水割りをください。涙の数だけ。」
「あいにくミネラルウォーターを切らしておりまして……」
「えっ、どうしてですか? 表の看板には水割り600円と書いてあったじゃないですか。『看板に偽りあり』ですか?」
「いや。『元旦に水割り無し』ということで……」

 わたしは、ズッこけた。どうしょうもないバーテンダーだな。もしやこの店は、きたもとひでとさんの店ではあるまいな。ん? あれは、どうでもいいバーテンダーか。

「でも、タンサンならあります。割るならこれでどうでしょうか?」
「うむ。それも良いか。『一年の計は、タンサンで割り』というくらいだ」

 今度は、バーテンダーの方がズッこけた。よし勝った。

 さて、これのどこがいい夢かと言われても困る。いいのはこれからである。

 気がつくと隣に女性が座っていた。どうやら一人で来ているようだ。正月らしく晴れ着を着ていたが、表情はちっとも晴れやかではなく、泣いているようだった。こういう状況を見逃すみやちょではない。まあ夢だからなのだけどね。
 わたしは、すかさず彼女にSCSIドライバをおごった。これがスクリュードライバーならば警戒されるところだが、SCSIドライバなら安心というものだ。彼女はSCSIドライバをゴクゴクと飲み干し、そして酔いつぶれた。わたしの目論見は成功したのである。エラいぞ。Adaptec。

 そんなこんなで、やっとこさ秘密の部屋に連れ込んだのだが、明るい所で彼女の顔を見て驚いた。よく見たら、彼女は観音様だったからである。まあ、顔を確認しないわたしも悪いが、薄暗いバーで顔など確認などしていられまい。だいたいバーで独り酒を飲んでいる女は、絶対にいい女なのだ。よく考えれば、観音様は結構わたしのタイプである。だから、これでいいのだ。
 それにしても、正月早々観音様とは目出度いなあ。これで初詣に行かなくても済むというもんだ。ん。待てよ。観音様は仏教の方か。やっぱり行かなきゃいけないのか。初詣。それでは、これが終わったら観音様と2人で行くことにしよう。やがて、観音様が目をさました。わたしは、観音様の帯をほどき、スルスルと手繰り寄せた。

「アーレーェェェ」

 観音様は、クルクルと独楽のように回った。いやはや。わたしは一度でいいから、これをやってみたかったんだよなあ。和服女独楽回し。いや、わたしだけではないはずだ。きっと全世界の男達は、みな和服女独楽回しをやってみたいはずなのだ。和服女独楽回しは、わたしの長年の夢だったのである。いや、そもそも夢なのだが。

 そういうわけで、肌も露わの観音様であるが、ひとつ許せないことがあった。それは何かと言うと、下着を付けていたのである。和服の下に下着など言語道断なのだ。ましてや、ブラまでしていたのだ。わたしは、観音様のブラなど見たくもないのだ。
 それでも普通のブラならまだ許せるというものだが、観音様のブラは違っていた。いわゆる寄せて上げるブラだったのである。そこまで世間ずれしていたか。身体中の肉を中心に寄せてバストアップを謀るなどとは、意外と観音様もコンプレックスを持っていたんだな。あるいは、年末恒例のあの番組に影響されたのかもしれない。中心ブラ。

 さて、いざコトを致さんと観音様に飛びかかったのだ。しかし、ここで突然目がさめてしまった。まあ、得てして夢とはこのようなモノだ。致し方無い。だいたいこれ以上書くと官能小説になってしまうではないか。だいたいわたしには、インターネットで性描写ができる程の度胸は無いのである。できることと言えば、せいぜい観音小説を書くくらいだ。

 気が付くと、そこは電車の中だった。どうやら扉の前で立ったまま居眠りをしてしまったらしい。わたしの後ろで人がつかえていた。その内の一人がシビレを切らせて、わたしにこう言った。

「菩薩としてんじゃねえっ!!」

 まだしてないのに……

 というワケで、今日の分はおしまいだ。では、また会う日まで。


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